運動の重要性
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栄養と運動は「健康という車の両輪」
今回は健康を維持する上で運動がいかに重要な位置を占めるかを考えてみたいと思います。 食を完全にしても年齢を経るにつれどうしても不足するものがあります。それは運動です。私達はどうしても健康対策が食生活に偏りがちになります。
しかし、生活習慣病は食生活のみによって引き起こされません。むしろ、運動不足や肉体的・精神的ストレスなどが重なったほうが怖いくらいです。その中でも運動不足は、過食との相乗効果によって肥満を招きやすく、高血圧、高脂血症、動脈硬化、糖尿病、高尿酸血症などさまざまな病気を誘発します。運動不足は、単に筋力的な意味で「体力が衰えてきた」というようなレベルでは治まらないのです。まさに、栄養と運動は「健康という車の両輪」といえるでしょう。多くの日本人は、運動不足が健康に悪いことを漠然とは意識しています。
慢性的な運動不足に陥りやすい
今や国民の80%は運動不足の状態だといわれています。現代人は昔の人たちにくらべて、日常生活の中で体に負荷をかける作業が少なくなりました。家電製品の普及や仕事の現場での機械化、交通網の発達と車社会への移行。そうした文明の進歩は、著しい便利さをもたらした半面、国民的な運動不足をもたらしました。現代人はわざわざ運動する機会を作らない限り、たちまち運動不足になってしまう状況に置かれているのです。慢性的な運動不足になると、全身の筋肉が衰えてきます。
日常生活での洗濯、掃除、炊事、食器洗い、買い物、ふとんの上げ下ろし、窓拭きなどの運動でも、するとしないとでは大違いです。そのことは1週間ほど寝たきりの生活をしてみると実感できます。使わない筋肉はどんどん衰えてゆき、疲れやすくなるばかりでなく、やがて骨にまで影響が出てきます。運動不足の人は瞬発力や持久力が弱まるばかりでなく、敏しょう性も衰えますから、転倒しやすくなります。その際、骨が弱くなっていると骨折の危険も高まります。運動には「生理的効果」、「精神的効果」、「社会的効果」の3つの要素があると考えられています。
継続的な運動は体力を向上させ、生活習慣病を予防
運動をすることによって、エネルギー消費量が一時的に高まります。 また、継続的な運動は体力を向上させ、生活習慣病を予防するのに役立ちます。運動は汗を流す喜びを与え、体力の向上によって健康感を実感させ、ストレスから解放する効果を持っています。適度な運動には、他にも様々な効果があるのです。運動をすることで、当然、骨に力が加わるので、骨を丈夫にしてくれます。そして、筋肉が鍛えられ、筋力のアップにもつながりますし、関節や筋肉も柔らかくなるでしょう。人間は酸素と血液循環で生きています。呼吸を司るのは肺臓の機能ですが、肺には左右で約7億の肺胞があり、この肺胞から血管に取り入れられる酸素が、心臓のポンプ作用で血液として身体のすみずみにまで送り続けられることにより私たちは生きつづけることができるのです。
有酸素運動により心肺機能を向上させる
血液の循環によって内臓や筋肉・骨格・細胞、神経その他全てのものが関わりあって人体が維持されています。 血液循環は、生存の基本ともいうべき重要なものです。 心臓は毎分70回とすると、1日約10万回も拍動し続けています。そして一生80年とすれば、実に約30億回にも達します。
この驚異的な仕事のエネルギー源は、冠動脈から与えられる酸素だけです。そこで、いかに効率よく血液を送り出すかということが、心肺機能にとっては、最も大切なことになります。人間の血管は、つなぎ合わせると1人分で約10万キロメートル、約地球2周半にもなる長さです。心臓から送り出された血液は血管を通って酸素や栄養素を運んだり老廃物を運んだりしています。この循環を繰り返して私たちは生きています。これが心肺機能といわれるものですが有酸素運動によりこの機能を向上させることができます。
- 肺での酸素の取り込みを多くする
- 血液を送り出す心臓のポンプ作用を大きくする
- 血管の中の血液の流れをスムーズにする
- 筋肉での酸素と二酸化炭素とのガス交換をよくする
運動の「気晴らし効果」
運動不足が続くと肥満になったり体力や筋力が衰えたり機能的器質的な弾力も低下して情緒まで不安定になり、肥満症や心筋梗塞と狭心症の虚血性疾患や高血圧症や動脈硬化症となり糖尿病や腰痛症になり、さらに自律神経失調症やノイローゼの疾患も引き起こすことがあります。ストレス解消の柱は「睡眠」と「運動」です。活力ある毎日を過ごすには、運動は欠かせません。運動は、健康面のみならず精神面にとても良い影響を与えます。運動は、脳だけではなく、私たちの気持ちや感情にも直接的に変化をもたらします。そのひとつが「気晴らし効果」です。
たとえば運動選手は、激しいトレーニングを続けながら、落ち込んだ気分を引きずることはありえないといいます。 これは、スポーツ選手がある目標に向かってトレーニングをすることに集中し、落ち込んだ気持ちや不安などを捨て去っているからです。こうしたものが運動の気晴らし効果といえます。何かしらのエクササイズに取り組み、その時間はその運動に集中することによって、いやな考えや気持ちを忘れることができます。また、運動には「自信回復効果」もあります。 これは、運動を行うことによって、満足感や達成感などの快感が得られるためです。「前よりも速く走れるようになった」「体が軽くなった」など変化を感じるようになれば、なおさら快感も強くなるはずです。 そうすることで、自分にも自信がもてるようになりますから、自然と気持も明るくなってきます。運動による効果として、体が温まることによる気分の向上、が挙げられます。
健康長寿のためには運動は必須
人間の体は、体が温まることによって筋肉の緊張がとけたり、リラックス時に働く副交感神経が働いたりするためと考えられています。これは入浴時にも似ている効果なのですが、体が温まると、気分が良くなり、ストレスが軽くなることがあります。このほかに運動は、脳と体の疲労のアンバランスを解消し、睡眠障害を改善する効果も期待できます。このように運動はメリットがいっぱいで、ストレスを解消するのに非常に適しています。健康長寿のためには運動は必須です。運動は自分への投資です。長生きしても寝たきりはイヤだ、健康長寿をめざしたいのであれば、運動は必須です。
運動は体力の増進だけでなく体調や気分的なものにも大きく影響を与えている
体がだるい、疲れが取れない、体が硬くなった、反応が遅くなった、バランス感覚が悪くなった、すぐに息切れする、血圧が高い、太りぎみ、視力や聴力が落ちてきたなど 年とともに体の機能は衰えてきます。 全身のや筋肉や神経細胞が減少し、新しい細胞を作り出す機能も低下します。 体力は、20歳を100とした場合、45歳では3分の2、65歳では2分の1になるといわれていますが、運動によって、体力の低下を抑えることができます。 また、運動は体力の増進だけでなく体調や気分的なものにも大きく影響を与えているのです。
- 筋肉の運動により、筋肉がポンプの役割をして血の循環が良くなります
- 内分泌系を刺激してやる気をつかさどるホルモンの分泌を促します
- 骨を丈夫にし、筋肉の質の低下を防ぎます
- 心肺機能を高め、息切れしなくなります
- 肥満を解消できます
- 生活習慣病(高血圧、糖尿病など)の予防や治療に有効です
- 体の調子が良くなり、風邪を引きにくくなります
- 肩こりがなくなり、体がかるく感じ、疲れなくなります
- ストレスの解消になります
- 食事がおいしく感じ、良く眠れるようになります
有酸素運動の効果が表れてくるのに3か月は必要
生活の中に運動を取り入れましょう。 歩くことからはじめてみて下さい。 1日30分を目標に 息が弾む程度のスピードで明るく楽しく安全に 体調に合わせ、マイペースで、楽しく運動を長続きするように工夫してみて下さい。有酸素運動の効果が表れてくるのに3か月は必要と言われています。とりあえず3か月!がんばってみてください。 散歩から初めて、部屋の中でテレビでも見ながらラジオ体操をしっかりやったり、ストレッチをやったりしてみて下さい。 はじめは毎日10分づつでも良いです。必ずしもジムに行くだけが「運動」ではありませんから。 無理なく出来ることからやれば良いし、まだ若いのですから気付いた時がチャンスです。
遅いと言うことは決してありませんよ。普段でも出来るだけエレベーター、エスカレータは使わず、足を使うことです。本気で体のことを考えているのであれば、今すぐ始めましょう。ほっとけば自分もいつかヨボヨボになると気づいたら、迷ってるヒマはないと思います。
骨粗しょう症の予防には適度な運動が欠かせません
70代80代のお年寄りでも効果はあります。お年寄りでも足腰を鍛えることで転倒事故が激減するそうです。高齢の方は、体を鍛えると言うより、現状の筋力を維持する事 又、筋力の衰えを遅らせる、少しでも筋力が衰えない様に維持する事に重点を置いていかれたら良いと思います。カルシウム不足になると骨のカルシウムが溶け出しますが、運動不足によっても骨は弱体化します。運動によって骨に適度な負荷がかかると、骨密度が保たれます。また、屋外に出て日光に当たることによって、ビタミンDが産生され、カルシウムが吸収されやすくなります。骨粗しょう症の予防には適度な運動が欠かせません。運動は心肺機能を高めます。具体的には最大酸素摂取量の増加をもたらし、循環機能の向上につながります。
軽い運動で、心身の緊張をほぐすことが高血圧の改善につながる
ウォーキングなどの軽い運動で、心身の緊張をほぐすことが高血圧の改善につながります。運動することによって、血液中の中性脂肪を減らすことができます。 ウォーキングやジョギングを続けるとβエンドルフィンという脳内物質が分泌されることが知られていますが、この物質は別名快感ホルモンとも呼ばれ、ストレスの解消に役立ちます。また運動すると精神が充実し、自律神経調節機能がよくなります。運動と並んで大切なことは休養です。特に高齢になればなるほど、過剰な運動は危険です。真面目で几帳面な人は自分の体調を省みず、頑張り過ぎる傾向があります。無理せず、長続きするように心がけ、運動の後の休養も十分とって下さい。ウオーキング、エアロビクス、ジョギング、ランニング、サイクリング、水泳、ジムなど自分が楽しめるものから始めてみて下さい。